はじめに
皆さんは「音速」という言葉を聞いたことがありますか?映画やニュースで「マッハ1」という言葉を耳にすることもあるかもしれません。実は、音にも伝わる速度があるのです。光は瞬間的に見えるのに、音はどうして遅れて聞こえるのでしょう?この謎を解き明かしていきましょう。
音速ってどのくらい速い?
音速は秒速約340メートルです。難しく聞こえるかもしれませんが、これを身近なものに置き換えてみると分かりやすくなります。
乗用車の高速走行時の速さは秒速約30メートル。つまり、音速は乗用車の約11倍も速いのです!新幹線は秒速約80メートルで走りますが、音はそれよりもはるかに速く、新幹線の約4倍の速さで空気を伝わっていきます。
では、音速を時速に換算するとどうなるでしょう?秒速340メートルを時速に直すと、時速約1,200キロメートル。これはジェット旅客機の巡航速度(時速約900キロメートル)よりも速く、旅客機は音速の8割ほどのスピードで飛んでいるのです。私たちが耳に聞こえる音は、実はものすごいスピードで空気を揺らしながらやってきているんですね。

気温によって音速が変わる?
実は、音速は温度によって変わるのです!
冬の寒い日(気温0℃)では、音速は秒速約331メートル。春の暖かい日(気温20℃)では、秒速約343メートル。同じ空気の中でも、気温が高いほど音が速く伝わるのです。
この理由を説明します。空気は目に見えない小さな粒(分子)からできています。気温が高いと、これらの分子がより活発に動き回ります。活発に動く分子たちは、音の振動をより早く隣の分子に伝えることができます。反対に、気温が低いと分子の動きが鈍くなり、音の伝わりが遅くなるのです。
スポーツ選手が体を温めると動きが良くなるのと同じように、空気の分子も「温まると活発になる」というわけです。
マッハ1とは何か
テレビなどで「戦闘機がマッハ2で飛行する」という言葉を聞いたことはありませんか?「マッハ」は、飛行機の速さを表す特別な単位です。
マッハ1 = 音速と同じ速さ
これが基準です。マッハ2なら音速の2倍、つまり秒速680メートルということになります。マッハ3なら音速の3倍です。
音速を超えて飛ぶことを「超音速飛行」と呼びます。飛行機が音速よりも速く飛ぶと、空気を強く押しのけて衝撃波が生まれます。この衝撃波が地上に届いたときに聞こえる大きな音を「ソニックブーム」と呼ぶのです。
雷から音が聞こえるまでの時間差
ここからは、音速を実際に活用する面白い方法をお教えします。それは、雷までの距離を測る方法です。
雷が光ったとき、光はほぼ瞬間的に見えます。光の速さは秒速30万キロメートル。とにかく速いため、地球上の距離では瞬間的に見えると考えてよいのです。
一方、音はどうでしょう?音は秒速340メートルという比較的ゆっくりな速さで伝わるため、光を見てから音が聞こえるまで、確実に時間差があります。
実際に試してみましょう。雷の光が見えたら、その瞬間から「いち、に、さん...」と秒数を数えます。そして、ゴロゴロという音が聞こえたら数えるのをやめます。数えた秒数を340で掛けてみてください。その数字(メートル)が、あなたから雷までのおよその距離です。
例えば、5秒数えた場合:340メートル × 5 = 1,700メートル。つまり、雷は約1.7キロメートル先で起きているということです。
この方法は、危険な雷がどのくらい近づいているかを知るのにも役立ちます。数字が小さくなっていれば雷が近づいているということですから、安全な場所に避難する目安になるのです。

まとめ
音速は秒速約340メートル、時速約1,200キロメートルという驚くほどの速さです。気温によって変わり、飛行機の速さの基準になり、そして雷までの距離を測るのに使える、とても実用的な概念なのです。
次に雷を見たとき、ぜひこの知識を使ってみてください。科学の不思議は、実は私たちの身の回りにたくさん隠れているのです。