フローライトはなぜ決まった形に割れるの?

パープルフローライトを磨いていると、原石のかけらがいつも似たような形に割れていることに気づくかもしれません。実はこれ、偶然ではなく、石の内部構造が生み出す規則正しい性質なのです。

フローライトの結晶は「立方体」が基本

フローライトが自然の中で成長すると、多くの場合サイコロのような立方体の形になります。これは、結晶の中でカルシウムとフッ素という2つの成分が、規則正しく並んで結晶をつくるためです。

透明できれいな結晶ほど、この立方体の形がくっきりと見えることがあります。

割ってみると「八面体」になる不思議

ところが、この立方体の結晶を割ってみると、面白いことが起こります。バラバラの破片になるのではなく、三角形の面を持つ八面体のような形に割れることがあるのです。

磨く前の原石を観察すると、こうした割れ方をした欠片を見つけられることがあります。もとは立方体だった結晶が、なぜ八面体という違う形に割れるのか、不思議に思いませんか?

なぜいつも同じ形に割れるの?

この性質は「劈開(へきかい)」と呼ばれています。

結晶の内部には、原子と原子の結びつきが強い方向と、弱い方向があります。フローライトには、決まった4つの方向に割れやすい面があり、力を加えるとその面に沿ってきれいに割れていくのです。

4方向に完全な劈開を持つ鉱物はそれほど多くなく、正八面体にきれいに割れるという性質は、フローライトを見分ける大きな手がかりの1つになっています。

立方体状に成長したフローライト鉱物の結晶

他の石と比べてみよう

ダイヤモンドは炭素原子どうしが非常に強い共有結合でつながっています。それでも、結晶構造の影響で割れやすい方向があり、フローライトと同じように八面体方向に劈開し、同じように八面体に割れる性質を持っています。

一方で、水晶(クォーツ)にはこうした決まった劈開がありません。水晶には決まった劈開がないため、割ると貝殻の内側のような曲面をした『貝殻状断口』になることが多くあります。同じ「きれいな石」でも、内部の原子の並び方によって、割れ方がまったく違うのです。

磨く時に気をつけたいこと

パープルフローライト磨き体験では、この劈開の性質を知っておくと、原石をより深く観察できます。角ばった面のいくつかは、磨いてできた跡ではなく、もともと石が自然に割れてできた劈開面かもしれません。

磨く前と磨いた後で、どの面が人の手によるもので、どの面が石そのものの性質によるものかを見比べてみると、鉱物としてのフローライトの理解がぐっと深まります。

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パープルフローライト磨き体験

紫色に輝くパープルフローライト(蛍石)を磨きながら、鉱物の色や結晶のでき方の不思議に迫ります。

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