はじめに

地球上には、私たちがしらない、すごい生き物がたくさんいます。その中でも特に不思議な生き物が「クマムシ」です。クマムシの中には、乾眠状態になることで、真空や強い放射線、極低温などの過酷な環境に耐えられる種類がいます。この記事では、そんなクマムシの秘密に迫ります。

クマムシって何?

クマムシは、体の長さが0.05mm〜2mmほどの、とても小さな動物です。多くの種はゴマ粒よりずっと小さく、肉眼ではほとんど見えません。体の大きな種でも点のようにしか見えないため、体のようすをよく観察するには顕微鏡が必要です。

クマムシの体には8本の短い足がついていて、ゆっくりと歩き回ります。その姿がクマのように見えることから「クマムシ」という名前がつけられました。とってもかわいい名前ですね。

クマムシのイラスト

この小さな生き物は、池や庭の苔の中、湿った土の中など、水がある場所に住んでいます。実は、私たちの身の回りのいたるところにいる、とっても身近な生き物です。クマムシは、バクテリアを食べたり、植物の細胞を吸収したりして生活しています。

活動しているクマムシの体の多くは水分でできており、およそ80%前後が水分とされています。そして、体は透明で、内臓まで見えてしまいます。小さくて透明なクマムシの体には、実は大きな秘密が隠されていました。

乾眠という驚きの能力

クマムシが宇宙でも生きられる秘密は「乾眠」という能力です。聞いたことがない言葉ですね。乾眠とは、クマムシが身を守るために取る特別な状態のことです。

普通、動物は水分がなくなると死んでしまいます。でも、クマムシは違います。周りが乾いてきたり、食べ物がなくなったりすると、クマムシは自分の体の水分をほぼ全て失ってしまいます。

水分を失ったクマムシは、まるで砂粒のような状態になります。この時、クマムシの体は縮み、神経活動や体の働きはほとんど停止した状態になります。代謝(体が生きるために行う活動)がほぼ停止するので、エネルギーをほぼ消費しません。

乾眠状態では、何年も生き延びた例があり、数十年後に活動を再開したと報告された例もあります。この乾眠という力は、ネムリユスリカの幼虫やワムシなど、ごく限られた生き物だけが持つ、とても珍しい能力です。

宇宙実験で証明された生存

「クマムシは本当に宇宙で生きられるのか」という疑問は、実際の実験で確かめられました。

2007年、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)の科学者たちは、クマムシを無人の宇宙カプセル「フォトンM3」に乗せて、地球のまわりを飛ぶ軌道へ送りました。クマムシは、乾眠状態で宇宙へ向かいました。

人工衛星「フォトンM3号」に乗ったクマムシたちは、10日間、宇宙の過酷な環境を経験しました。宇宙は真空です。空気がありません。にもかかわらず、クマムシたちは耐えました。さらに、太陽からの強い放射線も浴びました。地球の大気はこの放射線から私たちを守ってくれていますが、宇宙にはそんな守りがありません。

クマムシが宇宙空間でも生存できたことは、極限環境で生きる生き物の研究として大きな注目を集めました。

最後に

クマムシは、体は小さいけれど、宇宙でも生きられる驚きの能力を持った生き物です。乾眠状態になることで、多くの過酷な環境に耐えられることがあります。

地球上には、私たちがまだ知らない、驚きの生き物がたくさんいます。クマムシのように、小さな生き物の秘密を調べることで、新しい発見が生まれるかもしれません。皆さんも、顕微鏡で周りの生き物をよく観察してみてください。身の回りには、宇宙級の秘密が隠れているのかもしれませんよ。

探Labでは子どもたちの探究心を育むサービスを多数展開中!

対面イベント
会場で体験し、持ち帰る
開催中のイベント →
オンラインイベント
家からスタッフと一緒に
開催中の講座 →
探LabSHOP
お家で始める科学キット
SHOPを見る →