植物の種といえば、どんなイメージですか?多くの種は小さく、風や動物、水などによって運ばれます。でも、世界には信じられないほど大きな種を持つ植物があるんです。なんと1個が20kgもあるんです。

世界で一番重い種

「ココ・デ・メール」という植物をご存知ですか?これは、アフリカの東側、インド洋にあるセイシェル諸島の中でも、プララン島とキュリューズ島という2つの島だけに自然のまま生えている植物です。この植物の種は信じられないほど大きいのです。

ふつうのココナッツの実は20〜25cmほど、重さは2〜4kgほどあります。その中に入っている種子と比べても、ココ・デ・メールの種子は圧倒的に大きく、40〜60cm、20〜25kg、時には30kg近くになることもあります。大きなスイカより重い種ですね!

外観もユニークです。この種子は2つに分かれたような形をしていて、まるで人間のお尻のような見た目をしているんです。

ココ・デ・メールの種

大きな種子が生まれた理由

では、なぜココ・デ・メールは、こんなに大きな種子を進化させたのでしょうか?研究者は、いくつかの理由が組み合わさって巨大な種子になったと考えています。

第1の理由:栄養の蓄積

ココ・デ・メールが育つ森の土は、リンや窒素、カリウムなどの栄養がとても少ない、やせた土です。こうした栄養の乏しい土地でも子どもの木が育ちやすいように、種子には大量の栄養が蓄えられるようになったと考えられています。種子に栄養がたっぷり詰まっていれば、発芽したあとの成長に必要なエネルギーに困らないわけです。

第2の理由:種の分散戦略 もう1つの有力な考え方は、巨大な種子が遠くへ運ばれることよりも、発芽後の成長を支えることに適しているというものです。重い種子は海に落ちると沈むため、遠くの島まで運ばれることはほとんどありません。そのため、ココ・デ・メールは親木の近くで世代をつないできたと考えられています。 ふつうのココナッツは水に浮くように進化していて、海流に乗って世界中の熱帯の海岸に広がっていきましたが、ココ・デ・メールはその逆の戦略をとっているといえます。

巨大な種子は、発芽したばかりの子どもの木を支える『お弁当』のような役割を果たしています。巨大な重さは、遠くへ運ばれることよりも、発芽後の成長を支える栄養をたくさん蓄えた結果だと考えられています。

ココ・デ・メールの木

まとめ

ココ・デ・メールの巨大な種は、自然界の素晴らしい適応の例です。栄養の乏しい環境で子どもの木をじっくり育てるために、この木は長い進化の過程で、巨大な種という武器を獲得したと考えられています。

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