美しい琥珀はどうやってできるの?
「琥珀」と聞くと、キラキラと輝く美しい宝石を思い浮かべますね。実は、琥珀は樹木の樹脂(じゅし)が長い年月をかけて固まって化石になったものなのです。中には、小さな昆虫や植物が閉じ込められていることもあります。今回は、そんな琥珀はどうやってできるのか?珍しい虫入り琥珀を調べるとなにがわかるのか、解説します。
「樹脂」から琥珀が生まれるまで
まず、琥珀がどのようにしてできるのかを理解しましょう。
- 樹木の樹脂とは? 樹木は、怪我をしたり、病気になったりすると、身を守るために「樹脂」というネバネバとした液体を分泌します。
- 樹脂が流れる この樹脂は、樹木の傷口から溢れ出し、土砂などに埋もれます。固まる前に虫や植物が樹脂に入り込むことがあります。
- 長い年月で化石へ 土砂に埋まった樹脂は、長い年月(数千万年~数億年)かけて、空気や水分が抜けて固まり、化石化します。これが琥珀なのです。
樹脂が化石になるまでには、とても長い時間が必要です。

琥珀とコーパルの違い
琥珀によく似た「コーパル」という石を知っていますか?見た目はそっくりなのですが、実は大きな違いがあるのです。
- できた時代がちがう 琥珀は数千万年〜数億年前にできた、とても古い樹脂の化石です。一方コーパルは、数千年〜数百万年前にできた、比較的「若い」樹脂です。つまりコーパルは「これから長い時間をかけて琥珀になっていく、琥珀の赤ちゃん」のような存在なのです。
- かたさがちがう 長い時間をかけてしっかり固まった琥珀は、宝石として磨けるほど硬くなっています。コーパルはまだ完全に固まりきっていないため、琥珀よりもやわらかく、やすりなどで削ってピカピカに磨くこともできます。
- 熱や薬品への反応がちがう コーパルは熱を加えると表面がベタついたり、アルコールなどの薬品で少し溶けたりします。琥珀はもっとしっかり固まっているので、簡単には溶けません。これが、本物の琥珀かコーパルかを見分ける方法のひとつになっています。
- 中に閉じ込められている生き物もちがう 琥珀の中には恐竜時代の昆虫が見つかることもありますが、コーパルの中に閉じ込められているのは、もっと最近(といっても数千〜数百万年前)の昆虫たちです。今は絶滅してしまった生き物が見つかることもあり、コーパルもまた貴重な研究材料なのです。
コーパルは「将来、琥珀になるかもしれない樹脂」とも言えます。実際に磨いてみると琥珀とそっくりの美しい輝きが現れます。
樹液の中にいろいろなものが閉じ込められることがある!?
琥珀の中には大昔の昆虫や植物が閉じ込められていることがあります。では、なぜ大きな生き物や動物は閉じ込められないのでしょうか?
- 樹脂の量と大きさ 樹木から分泌される樹脂には限りがあります。大きな動物が閉じ込められるほどの大量の樹脂は、なかなかできません。
- 閉じ込められるタイミング 樹脂が分泌された直後は、ネバネバとしていますが、時間が経つと固まります。小さな昆虫は、樹脂がまだ柔らかい段階で誤って閉じ込められることがあります。大きな動物は、樹脂が固まってしまう前に逃げてしまうのかもしれませんね。
- 腐敗を防ぐ効果 樹脂には、バクテリア(細菌)などの微生物の活動を抑える効果があります。また、樹脂の中は空気や水が遮断されています。そのため、樹脂の中に閉じ込められた生き物は、腐敗しにくく、化石として保存されやすくなります。
つまり、小さな生き物だけが、偶然樹脂に閉じ込められ、腐敗を防ぐ効果によって化石化する条件が揃うため、琥珀の中に閉じ込められることが多いのです。

琥珀の中のものを調べると何がわかる?
琥珀の中に閉じ込められている生き物は、私たちにとって貴重な情報源となります。
- 古代の昆虫を知る 中生代から新生代まで、さまざまな時代の琥珀が知られています。世界最古の琥珀はなんと約3億年前なんだとか。 琥珀の中に閉じ込められた昆虫の姿を見ることで、現代の昆虫との違いや、当時の生態系を知ることができるかもしれません。
- 植物の進化を解明する 植物も、琥珀の中に閉じ込められていることがあります。これらを調べることで、植物の進化の過程や、気候変動が植物に与えた影響などを知ることができます。
- 多様な生物の宝庫 琥珀の中には、昆虫だけでなく、植物の葉や花、菌類などが閉じ込められていることがあります。これらの生物は、地球上に存在した多様な生物の証拠なのです。
琥珀の中の小さな生き物から、地球の歴史を学ぶ
琥珀の中に閉じ込められた小さな生き物たちは、まるでタイムカプセルのように、地球の過去の姿を伝えてくれます。これらの化石を調べることで、地球の環境や生物の進化について、新しい発見があるかもしれません。
これまで見つかった琥珀は、約1万種以上もの昆虫が閉じ込められていると言われています。その中には、まだ名前のついていない新しい種も含まれている可能性があります。